企業インタビュー

Interview
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@薬師池公園

会社の成長を考えたら事業承継は早い方がいい

株式会社 和広 代表取締役 鍵谷 直樹

株式会社和広は鉄道車両用制御装置の開発製造を主軸に行うメーカーで、平成元年に創業した。社長の鍵谷直樹氏は鶴川生まれの40歳。自身もエンジニアで、令和元年に社長に就任した。

Q 入社してから社長交代までの流れを教えてください。

A 大学時代は建築の設計をしたいと思っていたのですが、社会人になってからは小さな事務所で機械設計をしていました。和広に入社したのは23歳の時。最初は設計を、その後営業職も兼務し、専務になりました。
代表になったのは令和元年ですが、実はその5年ほど前から早く交替してほしいと父には伝えていたんです。正月には必ずその話になり、二人ともだんだん熱くなって最後には大喧嘩に、という流れがここ数年続いていました(笑)。 会社や社員への思いが誰よりも強い父にとっては、借入を完済してから引き継ぎたいとか、自分なりに承継のタイミングを思い描いていたのだと思います。
一方、僕としてはどうせやるなら少しでも早く改革して、会社を成長させたい。 親子の確執とまではいきませんが、そんなやり取りがあって、ちょうど元号も変わるし、父も70歳になる。キリがいいので、しぶしぶ父は会長に退くことになったんです。それでも最初は口出ししてくることもありましたが、最近ではようやく認めてくれたようです。
先代が病気や他界したタイミングで代替わりする会社がありますが、本当に困った時に一番相談したい相手がいないということほど辛いことは無いと思うんです。

Q 社長に就任して、改革は順調に進んでいますか?

A 和広は、父が高度成長期に日本を支えてきたメーカーのOBたちと作った会社なので、年齢層がとても高く、僕が入社した時は半数以上が60代でした。技術的には勿論素晴らしいのですが、コントロールが難しかったり、何よりも今後のことを考えると若返りが必要だと思ったんです。あとは様々な規則の見直し、社員のモチベーションをアップさせるようなサイトの構築など、色んなことを進めてきました。平均年齢も今では40代になりました。
これからは、父たちが積み上げてきた仕事に付加価値を付けて、事業の幅を広げていきたい。コロナ禍の今、時代の変化もチャンスと捉えて新しいことにもチャレンジしたいです。

Company Profile

株式会社 和広
設立 平成元年
業種 鉄道車両用機器、産業用電源ユニットなどの開発製造
町田市小山ヶ丘2-2-5-9
まちだテクノパーク
[TEL] 042-798-7531
https://www.wakoh-h1.co.jp/

kawasemi 2021.7 vol.142
「俺達、2代目」より抜粋