新聞販売店の所長になって12年目を迎える伊藤さん。 以前はIT企業に勤めたあと起業し、テレビ局向けの制御ソフトを開発していたそうです。 365日、休みなしのハードな生活を続けている2代目に、お話を伺いました。
Q 代替わりして大変だったことなどはありましたか?
A 実は、新聞販売店って簡単に継げないんです。 ここは父がやっていた販売店ですが、私が継ぎます、と言っても読売新聞本社の許可がないと駄目なんです。 それまで全然違う仕事をしていたので、まずは他の販売店で1年間修行して、そこの所長さんのOKが出て、ようやく本社の許可が出るんです。大変なのは、朝が早い・・・というか出勤は午前零時くらいで、終わるのが夜の9時くらい。それが1年365日という、超過酷な商売です。
そんな世界だから人材確保が大変で、人がいないと成り立たない。誰かが病気になったとしても穴をあける訳にいかないから、常に余剰人員を抱えていないといけないですし。
Q 新聞販売店というと、最近はとても厳しい業界だと思うのですが、そのあたりはいかがですか?
A 仰る通りで、若い方を中心に新聞を読まない人が増えて、売上は右肩下がり。
このエリアは東京の中でもまだ人口が増えている恵まれた地域ではありますが、厳しいのが現状です。
でも、うちには毎日、新聞を届けるという仕組みがあるのでそれ以外のものを届けるサービスも始めています。
例えば水とか。 団地で上の階など重たいものを運ぶのが大変な世帯に宅配する訳です。
生モノ以外は扱えるので、色々とアイテムを拡げています。市内に16の販売店があって横の繋がりもあるので、仕入の面で協力しながらやっています。
Q なるほど。では、やり甲斐を感じるのはどんな時ですか?
A 新聞って雨が降ろうが雪が降ろうが届くのが当たり前って思っている人が多いと思うんですが、それでもお客さんに「ありがとう」って言われると嬉しいですね。
あと、地域に根差した仕事なので、市役所や警察と提携して地域の防犯の一端を担っている意識もあります。
地域に必要とされているという部分は大きなやり甲斐でもあります。
Q 最後に法人会に入られてプラスになったことは何ですか?
A 同じ地域で頑張っている同世代の社長の方々と知り合いになれていい刺激をたくさん貰っています。人脈が広がったことが一番の財産だと思っています。
Company Profile
株式会社 いとう
創業 昭和49年
業種 新聞販売店
町田市木曽東3-8-22
[TEL]
042-722-3877
kawasemi 2016.11 vol.123
「俺達、2代目」より抜粋