企業インタビュー

Interview
Photo by nappye
@ダリア園

法人会は私にとって今も昔も「特別な場所」

町田市森野の地で、昭和初期まで農業や養蚕を生業としていたという澁谷家。昭和16年に曾祖父が質屋をはじめ、その後、先代の貞雄氏が昭和44年に駐車場経営を始めた。現在は質屋は閉じ、駐車場経営と別会社でビル管理を行っている。代表取締役は十二代目当主の渋谷直美氏だ。

Q 会社を経営することになったいきさつを教えて頂けますか?

A 私は五人姉妹の長女です。短大を出て幼稚園に3年務めていましたが、長女でしたので平成3年に家業に入りました。経営をしたり人前に出るようなタイプではないのですが、平成15年に父の後を継いで代表取締役に就任しました。

Q 会社経営はどのようにして学ばれたのですか?

A 仕事のことは全て父から教わりました。教わった、というよりは仕事に常に帯同し、隣で見て肌で覚えたという感じです。 父は寡黙ですが、分からないことを聞けば的確に答えてくれますし、頑固なところもありますが、優しくて包み込んでくれるような、そんなタイプです。

Q 代替わりしてからやり方を変えたり、新しく始めたことはありましたか?

A 私が一人で変えたことはありません。常に社員に助けてもらいながら、進めています。一緒に考えて始めたことは幾つかあります。 例えば、それまで駐車場のサービス利用は1枚の駐車券で1店舗だけでしたが、5店舗まで無料サービスを使えるようにしたり、ポイントカードの導入も新規に取り組みました。

Q 今後の展望と、法人会への想いがありましたら教えてください。

A 自分は先祖から受け継いだ大切な土地や資産を守り、次の世代に繋ぐのが使命だと思っています。法人会は会社に入ったばかりの頃、青年部会に出ていました。 父に勧められたのですが、ちょうど消費税が導入された直後で、税のことを本格的に学んだ最初の機会でした。私が経営の一端を担うようになる最初のステップを法人会で学べた、という印象です。 代表取締役になってからは優良法人会に出席させていただいていますが、青年部会から30年近く経っての参加で、町田の錚々たる経営者の皆さんとご一緒できていることが不思議な気もしています。 法人会は、当時
も今も私にとって気持が引き締まる、特別な意味を持つ大切な場所なんです。

Company Profile

株式会社いちのや
創業 昭和44年4月
業種 駐車場経営
町田市森野1-18-2
042-722-2430

kawasemi 2019.10 vol.135
「俺達、2代目」より抜粋