企業インタビュー

Interview
Photo by nappye
@ダリア園

受け継いだのはこの仕事の基本精神

土方周明氏は原町田にある旧家の15代目にあたる。江戸時代から明治にかけて営んでいた吉田屋は、トロイ遺跡を発見したシュリーマンや、町田市最古の写真を撮影したことで知られるベアトも泊まった由緒ある旅籠である。そのあと和菓子屋を経て、先代の周利氏が税理士事務所を創業した。

Q 土方先生がこの仕事を始めたいきさつを教えてください。

A 税理士事務所は昭和30年に父が創業しました。祖父は和菓子屋で座間の陸軍に収めたりしていたのですが、戦後、食糧難もありやめたようです。 父は戦後、会社勤めをしていた時に経理部に配属され、それがきっかけで税理士になったと聞きました。 高度成長期で経済活動が活発になっていく時代背景もあり、事務所も大きく成長しました。最盛期は4人近いスタッフがいましたね。さらに父は新しもの好きだったので、いち早くコンピューターを導入して仕事を機械化しました。理系の高校生だった私もよく手伝いました。でも、事務所が大きくなっていくにつれ、後を継がなくてはというプレシャーも感じ始めていました。 それで進路を文系に変え、一橋に入ったんです。その代わりに4年間は自由にさせてもらい、その後法学部に転部して3年間みっちり勉強し、卒業後にすぐ国家試験に受かりました。大手の監査法人とジャフコを経て、昭和60年に父の事務所に入りました。それから今に至ります。

Q 先代から教わったことで大切にされていることがありますか?

A 父からはこの仕事の何たるかを教わりました。健康を守るのが医師だとしたら、税理士は会社の財務を守るドクターだ。先を見据えてアドバイスすることが税理士の仕事だと叩きこまれました。

Q 2代目として大変だったことはありませんでしたか?

A 強いて言えば、父の下でずっと働いて来た番頭さんの先輩たちとぶつかったことですね。私が入った頃、ちょうど世の中にPCが出回り始め、それまで使っていたオフコンからPCに切り替えることでぶつかったりしましたね。

Q そういえば、三代目はサッカー選手でしたよね。

A スペインに行っていましたが、今は日本でゲストハウス事業をしています。 税理士ではありませんが、経営のセンスを磨いていますし、町田の様々な人材を知っているので、将来はその部分が絡んできたら面白いと思っています。

Company Profile

ヒット税理士法人
創業 1955年3月
業種 税務・会計、資産対策、企業コンサルティングほか
町田市原町田4-24-25
042-722-3731

kawasemi 2019.7 vol.134
「俺達、2代目」より抜粋